【パフォーマンス専攻:表現は国を超えて~パレスチナフリーダムシアターとの交流】
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今年の夏、パフ―マンス専攻は全四回にわけ【パレスチナフリーダムシアター】の芸術監督を務める【アフメド・トゥバーシ】さんの演技ワークショップを受講する機会に恵まれ、その成果として【TITLE TBD】公演を行いました。
今記事ではそこに至った経緯と、パレスチナフリーダムシアターの紹介、またワークショップがどのような成果をもたらすのかを追って記事にしたいと思います。
〇【フリーダムシアターとパフォーマンス専攻の出会い】
振り返る事今年の二月、パフォーマンス専攻は【柳川アーティストインレジデンス】に参加する機会を得て、当校の宝ともいうべき「FLOAT」の上演とそれをもとにしたアート作品群【たゆたうからたち】に参加しました。まず、日吉神社での野外劇FLOAT公演、そして水都やながわに一か月の間展示されたのはFLOATの中の大切なセリフたち。そのセリフを現代アーティストの〝調原作〟さんが造形物として作成、展示くださいました。
アートと演劇、そのつながりがここから育まれ、フリーダムシアターとクラーク記念国際高等学校演劇部がつながるに至りました。
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〇【フリーダムシアターとは?アフメド・トゥバーシさんとは?】
パレスチナの芸術監督と何か一緒にやってみませんか?
驚きのお誘いからこのお話はスタートしました。フリーダムシアター(パレスチナ自由劇場)はパレスチナジェニン難民キャンプの中にある劇場で、芸術や文化活動で暴力やそのほかの不条理に抵抗していこうとしている団体です。
ご存じの通り、今パレスチナはイスラエルとの問題によって多くの人々が被害にあい、多くの悲しい出来事が起こっています。
フリーダムシアターの芸術監督、アフメド・トゥバーシさんは被害にあいながらも傷ついた子供たちや、多くの若者によりそい、芸術活動を共にすることで、それらの理不尽な現実と戦っておられるのです。
トゥバーシさんは言います。
「芸術・文化にはカラシニコフ(銃)よりも強い力があるんだ」と・・・
現在そうした活動が世界的に評価され、フリーダムシアターはなんと「ノーベル平和賞」にノミネートされています。
とてもすごい事ですね!
芸術の力、それを共に探そうと高校生たちとトゥバーシさんの合作はスタートしたのです。
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〇【トゥバーシさんのワークショップ】
全四回にわけてZOOMを通してのワークショップが行われました。
トゥーバシさんのワークショップは驚きの連続で、「時分の位置をノートの中心に書いて、これまでの人生を東西南北に書きなさい」や、「今感じている毎日の小さな疑問を三つ書きなさい」等のとにかく自分自身を知る事からスタートしました。
ワークショップの後半には体と心を使っての表現や、絵を使っての物語の作成等にかかっていきました。
写真家の菅梓さんや、国際専攻の生徒たちに通訳をしてもらいながら国を超えての文化交流になりました。
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〇【TITLE TBD公演】
9/14、そのトゥバーシさんが日本に来校され、クラーク高校にお越しくださいました。
これまでワークショップで作り上げた作品と、トゥバーシさんの講演会を通して、二度の公演を行いました。
タイトルに使われている【TBD】とは【To be determined】の略で【未定・未確定】という意味になります。つまり何をやるのか最初の時点では決まっていないよという事になります。
ではどうやって公演に結び付けていったのでしょう。
実は物語の内容はワークショップの中で生み出された生徒の発想を元にしたものとなっており、バラや星のお話、そしてオタマジャクシと馬のお話など想像力豊かな公演となりました。
トゥバーシさんからは沢山のアドバイスもいただき、生徒たちもキラキラした目で公演に取り組んでいました。
メディアからの取材も入り、公演自体も大成功の中幕を閉じました。
NHKでの放送は9/19 18:00~19:00のニュースの中で取り扱われる予定です。
生徒たちもトゥバーシさんからサインをもらったり、写真を撮ったりと大変楽しそうでした。
この先も表現を通じて、たくさんの人たちとつながっていく事がパフォーマンス専攻の夢でもあります。
皆さんも一緒に言葉や国を超えて世界中の人たちと表現で繫がっていきませんか?
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