【学習】「保健体育」授業 ~皆さんは何で薬を飲んでいますか?~
くすりの説明書には必ずと言っていいほど次のように記載されています。「水またはぬるま湯で服用してください」と。しかし、生徒や教員に質問をしてみると、お茶やコーヒーなど水・ぬるま湯以外で服用している現実がありました。そこで、くすりの飲み合わせについて2つの実験を通して学習しました。
実験① 「胃薬をオレンジジュースで服用する」
・炭酸水素ナトリウム(重曹)
・クエン酸
・透明紙コップ
・割りばし
1.透明の紙コップに水とクエン酸を入れる。※オレンジジュースに見立てる
2.オレンジジュースに見立てた水に炭酸水素ナトリウム(重曹)を入れる。
3.反応を観察する。
胃薬の成分として多く入っている炭酸水素ナトリウム(重曹)は胃酸を中和して胸やけや胃炎などの症状を軽減させる役割があります。そのため、胃薬をクエン酸を含む飲み物で服用すると炭酸水素ナトリウムがクエン酸と反応していまい、シュワシュワと二酸化炭素発が発生し、くすりの効果が薄れてしまいます。そのため、胃薬も水かぬるま湯で服用することが大切になります。

実験② 「貧血薬をお茶で服用する」
・貧血薬(鉄剤)
・お茶
・透明紙コップ
・割りばし
1.お茶に鉄剤を入れる。
2.反応を観察する。
お茶にはタンニンが含まれており、鉄分とタンニンが反応するとタンニン鉄ができます。タンニン鉄は体の中で吸収されにくい物質のため、くすりの効果が出ません。

実験を通して、体の中で起こっていることを可視化することによって水・ぬるま湯以外で薬を服用することのリスクを学んでくれたと思います。