福祉学習「視覚障害について学ぼう」
4月26日(水)、船野さんと社会福祉協議会の職員の方が来校。視覚障害について話してくださいました。
船野さんのお話
「私の母は全盲で、父は弱視でした。2人とも城崎温泉の旅館に出向しマッサージをする仕事をしていたので夜は不在で私は、その間、祖母に面倒を見てもらっていました。
学校の遠足のお弁当は、隣の家の同級生のお母さんに作ってもらいました。
視聴障害者の両親に育てられ、私のことを「可哀想」と思うかもしれませんが、そうではありません。私は両親と地域の方々に囲まれ、育ちました。両親にできない事は私がしたり近所の方々がして下さったりしました。視覚障害者は困ることはあっても不幸ではないです。
船野さんは生徒からの質問にも答えてくださいました。
Q:白杖は折りたたみ式とそうでないものと違いがあるのですか?
A:私の母はですが、折りたたみ式ではない、まっすぐな白杖を愛用していました。折りたたみ式の杖で地面をつくと、少々「ふにゃっ」と曲がる感じ苦手だったのでしょう。
Q:視覚障害の方は家の中で、どんなふうに過ごすのですか?
A;料理もそうじもしていました。ただ、油で揚げる料理は危ないのでしていませんでした。母の記憶力はすごくて、「家のどこに何を置いた」を常に把握していました。
旅館にマッサージの仕事に行く時も「○○旅館の何号室は…」道順、段差、障害物などを記憶していました。
社会福祉協議会の方も話をしてくださいました。
「アイマスクをすると、見えずに不安になりますよね。その不安が一日中続いていたらどう感じますか?不安が続くのは幸せではないと思うのです。不安を少しでも和らげるため、健常者ができるのはどんな事でしょうか?
1つ目。「何かお手伝いすることはありますか」と視覚障害者の方に声をかけることです。
2つ目。点字ブロックの上に自転車をとめないことです。
3つ目。イヤホンをして、スマホを見ながら歩く「歩きスマホ」をやめる事です。周囲を見ることで、視覚障害者の方の困っている場面に気付くことができます。歩きスマホをやめる事は、優しさでもあると思います。」