【連載コラム】オタクの通り道 #9
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【連載コラム】オタクの通り道 #9
ボカロPの連載の方は一休みして、今日は別な話について。長いよ。
柴田ヨクサルという漫画家がいます。
『エアマスター』『ハチワンダイバー』などのヒット作を持つ漫画家です。
先に挙げた2作は白泉社の『ヤングアニマル』で連載されていました。
現在はWebコミックで『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』を連載しています。
わざわざ挙げるくらいだから吉田はこの漫画家さんが、それはもう好きなわけです。
そもそもヨクサルって名前がいいよね。知ってます? ヨクサル。スナフキンの父親の名前ですよ。
絵柄が美麗、というタイプの方ではありません。
が、ネーム力がとてつもなく高く、このセリフにはこの絵しかないだろうな、と思わせる力を持つタイプの方だと思います。
著作権の問題があるので、画像転載はしません。興味ある人はググってみてください。
商業漫画ってのはフィクション。「基本的に」とかじゃなくって、どっからどう切り取ってもフィクションにしかなり得ません。
仮に実話を基にした作品があったとて。
漫画のコマに納めていった時点で、それはフィクションになってしまう。
現実世界の凄まじい情報量の雑味を取り除き、読者にわかりやすく示さなければ漫画として成立しないから。
そして漫画作品はそれぞれ、フィクションはフィクションなりに、その世界観の中でどのくらいのリアル度で描くのか、というバロメーターがあります。
ドラえもんのタケコプターに対して、「テールローターが無いから首がねじ切れますよね?」とかツッコんだところで虚しいだけじゃないですか。
リアル<<<<<<<<<<<<フィクション
このリアルとフィクションの間のどのくらいに位置する作品なのか?ということを僕らは無意識に作品から感じ取って
リアル<<<<<<<<<<<<フィクション
↑
この辺
ってのを、読み手側の脳内で調整して読んでいるんですね。
これがきちんと統一されている作品というのは美しい。
リアルだからいい、ってものでもないでしょ?
たとえばアンパンマンはアンパンマンの世界観の中で整合性が取れていて完璧な作品です。
現代社会にちなんだリアルな要素を持ち込むにしても、それは「やなせたかしフィルター」を通して、作品世界内で許せるものに形を変えて登場するわけです。
一方、このリアル・フィクションレベルを逆手に取って読者の虚を突く手もありますね。
ファンタジー作品だと思って読んでいた作品で、いきなりiPhoneが登場したら「あ、そういうこと?」ってなりますよね。現代社会との交差点があって、それが世界観の肝になってるんだな、って思うじゃないですか。それです。
話を柴田ヨクサルに戻します。
柴田ヨクサルさんの作品は、世界観としては割とフィクション寄りなものが多い気がします。
だって、「将棋で世界を征服しようとする集団」とか、フィクション以外の何者でもないし。
ただ、そこで描かれる究極状態にまで追い込まれた人間の描写に妙なリアルさがあって目が離せないんですよね。
世界観としては、フィクション <<<<<<<<●<<<<<<<<<<<<リアル、このくらいなのに、時々見せる人物描写が、フィクション<<<<<<<<<<<<<<<<<●リアル、このくらいになっている。このバランスの崩し方が見事にハマっているんですよね。
将棋の一戦、次の一手に自分の未来も生命もかかっている、という状況。常識的に考えて、現実では絶対にあり得ないシチュエーション。でも作品の中では話の流れ的に、どうにも逃れられない極限状態。超高速で流れる思考。越し方行く末、自分の人生のすべてを賭けた一手。この一手で本当に自分のすべてが決まってしまう。
そんな時に人間が腹の底から絞り出す言葉、そのセレクトが素晴らしい!!
決してカッコいいセリフとか、そういう類のものではないです。
むしろ気が抜けてしまうような一言だったりもするんですが、でもそれが妙にリアルなんですよね。
本当に追い詰められた時、脳内で色んな汁が出てそうな状態の人の思考をトレースしていくとこういう結論でこういう言葉になるんじゃないかな、と思わせるのがすごく上手い。
で、通常のブログ記事であれば、ここでセリフの引用とかをすると思うんです。
でも、そのセリフは、作品世界にどっぷりつかった状態で、話の流れがあってキャラに心を寄せている状態で一番効くものじゃないですか。
だからここでピックアップはあえてしません。
読んでください。柴田ヨクサル作品を。
オススメなのは『ハチワンダイバー』ですが、柴田ヨクサル作品はどうやら一つの世界の中で色んな物語が展開しているようなんですよね。
『ハチワンダイバー』の中に『エアマスター』の重要人物が登場していたりもするので。
やっぱり『エアマスター』からかなぁ。
もしくは現在連載中の『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』から読み始めても良いかと思います。昭和ライダー好きにはたまらんです。