【連載コラム】#14 夏休みNEXT Akihabara的推薦図書③
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【連載コラム】#14 夏休みNEXT Akihabara的推薦図書③
一応、この辺で打ち止めにしておこうと思う、このNEXT Akihabara的推薦図書の企画も。キリがないから。
ほら、オタクって自分の好きなモノを語り始めると永久機関になるじゃないですか。
なので自制してこの辺で止めておきます。
そんなわけで第3弾!!!! ここで打ち止め! その分、長いです!!!
・マイクル・ムアコック『エルリック・サーガ』他 エターナル・チャンピオンシリーズ
米国の作家、マイクル・ムアコックによるダークファンタジーがこちら、エルリック・サーガ他のエターナル・チャンピオンシリーズです。
多元宇宙の中でいくつもの世界に転生を続ける、エターナル・チャンピオンと呼ばれる戦士たち。彼らは必ずその宇宙ごとの「黒の剣」と呼ばれる武器を持ち、愛する者をその手にかけ、何度も裏切られ、世界を滅ぼし、血塗られた絶望のエンディングに向けて猛烈大疾走していきます。
その代表格がシリーズ最高の人気を誇る「エルリック・サーガ」です。
筋骨隆々たるそれまでのファンタジー作品の主役とは真逆。ミルクの様に真っ白な肌に赤い瞳孔、薬の助けなくしては生きられないスーパー虚弱体質。主人公エルリックは魔剣「ストームブリンガー」を手にしたことで、愛する人をその手にかけ、自身の治める国を滅ぼし、さらに世界そのものすら崩壊に導く。その悲劇でしかないストーリーは、「ダークファンタジー」として日本のファンタジー作品に大きな影響を与えました。ある意味『指輪物語』以上と言ってもいいでしょう。
また、国内版の表紙絵を手掛けた天野喜孝さんの美麗な絵が、日本におけるビジュアルイメージとしてのファンタジー観を決定しました。
よく外国人が「どうして日本のゲームは細い男が主人公なんだ?」と疑問を呈しますが、その原因はコレ。細身で美麗な男、という美形キャラを日本に根付かせた意味でも、押さえておく価値のある作品です。
・メアリー・シェリー『フランケンシュタインあるいは現代のプロメテウス』
前回、ギブスンの『モナリザ・オーヴァードライヴ』が地球で一番カッコいいタイトルだという話をしたが、次点がこの作品だとだと思う。
「あるいは現代のプロメテウス」。
「あるいは」って。こんな素敵な「あるいは」を吉田は他に知らない。
フランケンシュタイン、と呼ばれる怪物自体を知っている人は多いと思う。
が、多くの人らが勘違いをしています。ここは声を大にして言っておきたい。
「フランケンシュタインは博士の名前で、あのツギハギの人造人間は『フランケンシュタインの怪物』が正式名称です!!」と。
この世界有数の知名度を誇るモンスターの物語、生まれた経緯がまた珍妙。
作者のメアリー・シェリーは、詩人として有名なシェリーの奥さん。
シェリー夫妻が、著名な詩人であるバイロンらと共にスイスの山荘で過ごしていた際に、長雨が続き外に出られなくなったそうだ。
で、バイロン卿が「一人一作、怪奇小説を書こう!!」と提案し、その結果生まれたのがこの作品(の原案)だとのこと。
つまり、雨が降っていなければ、この小説は世に出ていなかったのです。
この辺の経緯は漫画家・藤田和日郎氏の『黒博物館 三日月よ、怪物と踊れ』を読んでください。
今の僕らにとってはホラー・怪奇、という風には読めないと思う。むしろ、僕らがここから感じてしまうのは、人造の生命が生まれ持つ悲劇性、なんだと思います。
マッドサイエンティストによっていたずらに作られ、恐怖を振りまいた怪物が最終的に求めたのは、自分と同じ人造の花嫁でした。
いわゆる「悲しきモンスター」の源流がここにあります。
・R・A・ハインライン『夏への扉』
やっぱり夏休みだし、夏っぽいもの読んどくか! と思って手に取った方には悪いが、全然夏っぽくはない。
年季入ったオタクに「No.1SF小説は?」って聞いたら、みんな顔を赤くしたり青くしたり怒ったり困ったり顔くしゃくしゃにして早口で色々謎の言語を口にした後、きっと
「……ハインラインの『夏への扉』」
って答えると思います。9割くらい。
アイザック・アシモフ、アーサー・C・クラーク、そしてこのハインラインを加えて、3大SF作家と呼ばれています。
そんなハインラインの生み出したハッピーエンドのSF作品がこちら『夏への扉』です。
日本のみならず、世界中でSFオールタイム・ベスト1の作品だと言われています。
タイムトラベルもの、というジャンルを築いた作品です。
「過去を変えることで、未来が変わる」という、今では当たり前になってしまったSFアイディアがこの作品の肝。
つまり、これが無ければシュタゲもバック・トゥ・ザ・フューチャーも生まれていないってことですね。偉大すぎる。
タイムパラドックスだ何だと、うるさいこと言わないところが、昔のおおらかなSF感があり大変よろし。
またこの作品は「猫SF」とも呼ばれています。
表紙絵の後ろ姿の美人な猫「ペトロニウス」が、どんな役どころで登場するのか。
とりあえずこの世が誰のためにあるかといえば、それは間違いなく御猫様のためですから!!
我々下々の人間は思い上がらずに、そのあたり心して読むべし。